傷をきれいに治すには「乾かさないことが最強のソリューションである」

ライフハック

傷を乾かさない(湿潤療法)ことが、擦り傷をきれいに治す上では重要であるということを、ロードバイク落車による広範囲な擦過傷がきれいに治った経験談とともに紹介します。

湿潤療法(傷を乾かさない手法)

みなさまも子供の頃、転んだりして膝を擦りむいた経験ありませんか?

私はかなりわんぱくだったので、むしろ擦り傷だらけでした。ちなみに、擦り傷という単語をよく利用しますが医学的には「擦過傷」と呼ぶらしいです。

これまで私は怪我をするたびに、消毒して絆創膏やガーゼで傷口を覆うといった対処をしてきました。

このような傷を乾かす方法は、時代遅れであるって知っていますか?

傷を絆創膏やガーゼで乾かしてしまうと、かさぶたが形成されます。時間が経つとかさぶたが剥がれてきて、その下に新しい皮が形成されますが、でこぼこであります。

いつまでたっても、「あ、ここって転んで怪我したところだった」って認識できる傷跡が残ってしまいます。

これっていやですよね?

近年、この「乾かす」という方法より、「乾かさない」方法(湿潤療法)が有力であるのご存知でしょうか?

  • 「乾かす」=「傷跡が残る」
  • 「乾かさない」=「傷跡がほとんど残らない」

っといった方程式です。

「ハイドロコロイド」って聞いたことがありますか?

要は、傷口から出た液を乾かさず、うまい具合に湿潤に保ち、傷を治すという素材であります。

どうやら、傷口から出てくる体液は悪者ではなく、乾かさないようにしつつ傷をいい感じに修復してくれる人間の治癒能力の一つのようであります。

簡単な話が「ハイドロコロイド」を利用したシートを傷口に貼って、しばらく時間が経つのを待つだけです。

ロードバイク落車による広範囲な擦過傷がきれいに治った件

落車で広範囲の擦過傷、どうしよう?

実は、ロードバイクの走行中のアクシデントで派手に落車したことがありました。

右のスネ、膝、モモ、右の腕が腰を抜かすほど血だらけになりました。そして、あごの下側も縫合しないといけないほど派手に切ってしまい救急車で運ばれました。

大きな救急病院で処置が終わった自分を眺めるとえらいことになっていました。

そして、痛みのあまり歩行もままなりません。

明らかに、わたくし、キズモノです。

「やべぇ、これじゃ、お嫁にいけない」

乾かさない方法(湿潤療法)との出会い

一応、博士号を持っているわたくし、すかさず、文献をあたりました。

私は電子系の研究者なので、医学系の文献は専門ではありませんが、こうなったら意地であります。

「傷を残さないためには乾かしてはいけない」というシンプルな方程式が見つかりました。

そしてそれは、「湿潤療法」と呼ばれているようです。

まずはこちらの本を購入して徹底的に勉強しました。一般人にもわかりやすいように書かれていて非常に勉強になりました。

研究者である私は、さらに高度な文献を読んで学びたくなりました。こちらは医療関係者や医学部の方が読んだりする本のようです。ハイドロコロイド以外にもさまざまな手法があることがわかりました。

ただし、こちらの本はかなりハードな専門書なので難解かもしれません。ただ、学びたい方にはおすすめです。

そういえば、傷だらけで跡が残るのを心配して、泣きそうになっていた私を見て、若いイケメンのスポーツマン風な救急隊員の方は次のようにアドバイスをくれました。

「傷をきれいに治すには、まず患部をよく洗って異物を取り除くことが重要です。昔は消毒していましたが、今は流水で流す方法が主流です

昔は傷を乾かしていましたが、今は乾かさない方法が良いと言われております」

やはり、最近の基本は乾かさないことのようです。

さらに、救急隊員のお兄さんワイルドな手法を教えてくれました。実は彼もロードバイク乗りで落車経験があるそうです。

「あまりよろしくはないんですが、お兄さんみたいな広範囲の擦過傷の場合、料理の保存に利用するラップを傷口に巻いて、剥がれないようにテープで固定する荒療治もありますよ。でも、自己責任で」

しかしながら、運び込まれた救急病院、その後通院した外科では頑なに「昭和時代」の手法を踏襲して、傷口をガーゼと包帯ぐるぐる巻きをしてくれます。

それを、帰宅するとともに剥がして、優しい救急隊員から教わった、そして最新の文献からも学んだ「湿潤療法」を自らわたしは施すのでした。

傷の経過を見せるために、救急病院から紹介された定期的に街の小さな外科に通っていましたが、年配の先生は「なんでこんなもの貼っているんだ?」と言ってきます。

わたくし、内心こう思いました。

「なんで、湿潤療法も知らないの?この先生?」

気にしてはいけません。自分の信じる道を進むのみです。

先生が別の部屋に行った際に、年配の優しい看護師は困った顔をしてこう言ってくれました。

「お兄さん、よく知っているねぇ。湿潤療法ね。あの先生、頑なだから」

私はわかってくれる人がいて救われた気分になりました。

湿潤療法を試行、きれいに治った件

比較的小さな傷は、Amazonで購入した「ハイドロコロイド」の絆創膏もしくは大判シートで対処しました。

湿潤療法に用いた部材
湿潤療法に用いた部材

こちらはフリーサイズで切って利用できるので便利でした。ハイドロコロイドのフリーサイズのシート(76mm×76mm)が3枚入っております。これを傷口のサイズに合わせてハサミで切って利用します。Amazonの購入履歴を確認をすると、私は傷が治るまでの間にこのシートを10回以上も購入したようです。

このキズクイックの大きめサイズも上記のフリーサイズのシートと併用しました。大きな長方形(35mm×70mm)タイプのハイドロコロイドでありまして、絆創膏のように簡単に傷に貼り付けることができました。同様に履歴を見ると、10回以上も購入したようです。

こちらは絆創膏タイプのジャンボサイズのものです。BAND-AIDのキズパワーパッドはいろいろなサイズがラインナップされており、何種類かスタンバイしておくと便利です。私は常に持ち歩いております。トレランで擦りむいた時など非常に便利でした。

スネは右側全体が30cm近く傷だらけだったので、こちらは救急隊員に教わったラップ+テープ固定で対処しました。

最初はこのような30cmのタイプを利用しました。

傷が20cmぐらいであればこちらでもよいかもしれません。

するとどうでしょうか?

1ヶ月ぐらいすると、かさぶたもできず綺麗になってきました。3ヶ月ぐらいするとほとんど傷跡が消失して、1年もすると怪我をしたのがどこだったのかわからなくなりました。

落車でキズモノになったオレは「これじゃお嫁にいけないぜ」って思っていましたが、きれいになった擦り傷があった場所を眺めてはこう思うのでした。

傷をきれいに治すには「乾かさないことが最強のソリューションである」

この経験を通して、次のことを学びました。

「すべては情報である。古い手法にとらわれてはいけない」

ふと、昔堀江貴文氏の「情報だけを武器にしろ」という本を読んだことを思いましました。

まさにこの本のタイトルの通り「情報だけ武器にする」ことがベストと悟りました。

ご注意

擦り傷、切り傷は乾かさないことがポイントです。しかし、それだけでは解決しないこともあります。

傷の種類によってはある程度乾かして、それから適切な湿潤療法を組み合わせる。傷の種類によってはハイドロコロイド以外の創傷を覆うシートを使うほうが良いなど、専門家ではないとわからない領域があります。

日本創傷外科学会の「はじめに」のページに、傷の種類、治療法、適切な湿潤療法、消毒はすべきか?などわかりやすく記載されておりました。

一般社団法人 日本創傷外科学会
日本創傷外科学会(JSSWC)オフィシャルホームページ

私はあくまでも自己責任のもとハイドロコロイドとラップ貼り付けの2種類の手法できれいに治りましたが、万人向けではありません。

特に、医療用材料ではないラップ貼り付けというワイルドな手法でありまして、傷の状況によっては感染を引き起こしたり、怪我が悪化する可能性もあります。私はあくまで自己責任でやったところ、きれいになりましたが。

良い子のみなさまは、湿潤療法に詳しい医療機関で治療を受けることを強く、強くおすすめいたします。

まとめ

この記事ではロードバイク落車でできた広範囲な擦過傷を湿潤療法できれいに治すことができた経験を共有させていただきました。

昭和時代のスタンダードは次のとおりでした。

  • 傷は乾かす
  • 傷は消毒する

現代のスタンダードは次の2つです。

  • 傷は乾かさない(湿潤療法)
  • 傷は消毒しないで、流水で洗浄

傷をきれいに治すには「乾かさないことが最強のソリューションである」

この記事がみなさまのお役に立てることを祈って。

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