ダイキンのエアコンをDIYで完全分解【背抜き】洗浄しました。
【背抜き】のおかげでほぼ新品状態まできれいになりました。かなり難易度が高い手法ですが、参考になればと途中経過を詳しく紹介いたします。
エアコンクリーニングの手法と特徴
突然ですが、エアコンクリーニングは次の4種類ほどに分類されると思います。
- 手法1:シロッコファンを外さない簡易洗浄
- 手法2:シロッコファン抜き簡易洗浄
- 手法3:中身を抜いての完全分解【背付き】洗浄
- 手法4:エアコン丸ごと脱着の完全分解洗浄
手法1が最も簡易的、手法4がほぼ新品同様の超念入り洗浄です。特別なこだわりがなければ手法3の【背抜き】洗浄がベストではと思います。
エアコンメーカーが簡単に分解洗浄できるエアコンを作ってくれれば一番素敵なのですが……。
手法1:シロッコファンを外さない簡易洗浄
一般的にほとんどがこの手法だと思います。
一番の特徴はシロッコファン(送風ファン)を外さないことです。そのため、手法的にどうしても奥の方までは洗浄できません。一方、この手法の最大のメリットは短い時間完了、そしてお安くクリーニングできるということでしょうか。
作業の流れは、外装ケース脱着、養生、熱交換器用のフィンと風を送り出すシロッコファンにクリーニング液を噴霧、大量の水ですすぐといった流れです。
一見きれいになった気分になりますが、実は汚れをフィンの中に撒き散らすことになったりすることもあります。また、この高圧に噴霧する手法ではドレンの水路やケースの奥側のカビなどをきれいにすることはできません。
業者にクリーニングしてもらった後、なんだか、むしろカビ臭いなと思ったことがありました。業者クリーニング後に、ケースを外して奥を覗いていみるとカビだらけという状況です。
それ以来、DIY好きな私はエアコン洗浄の世界に足を踏み入れてしまいました。
手法2:シロッコファン抜き簡易洗浄
シロッコファンのケースを止めているネジを外し、熱交換器用のパイプを破損しないように左側だけ持ち上げつつ、シロッコファンを抜いて洗浄する手法です。
私も以前この方法で簡易クリーニングをしておりました。
この手法はシロッコファンを外してしまうので、圧倒的に掃除がしやすくなり、比較的きれいになります。ただ、完全に分解するわけではないので、【背抜き】と比べると手法的にどうしても汚れが残ってしまいます。
以前3回ほどシロッコファン抜きの簡易クリーニングを日立のエアコンでやっていました。
次のページではダイキンのエアコンのシロッコファンを抜く簡易クリーニングを紹介されております。
この手法はエアコン左側にエアコン本体と同じぐらいの空間がないと行うことができません。今回のエアコンのように左側に壁があるとシロッコファン抜き取り簡易クリーニングはできません。
エアコンによってはドレンパンを下側に外して、シロッコファンを抜けるものもあるようですね。
手法3:完全分解【背抜き】洗浄
この記事で特集する中身を抜いての完全分解【背付き】洗浄です。
パーツを完全に分解して、お風呂や外でジャブジャブと本気の洗浄ができるので、ある意味ほぼ新品同様な仕上げが望めます。
問題は極端に難易度が高いところでしょうか。
しかし、WEBを検索してみると【背抜き】を行う業者はかなり限られているようです。というのも、難易度が高く破損の危険性もあり、業者もあまりやりたくないのでしょう。
手法4:脱着完全分解洗浄
エアコンを丸々すべて下ろしての完全分解洗浄です。エアコンを壁から下ろしてしまえば、簡単に分解して徹底的に洗浄できるというわけです。ある意味究極の【背抜き】とでもいうのでしょうか。新品同様になると思います。
メーカーや特定の業者が行っているようです。
非常に金銭的コストや時間的コストがかかります。場合によっては持ち帰りで専用の工場でクリーングするようです。そのコストの対価として、ほぼ新品状態まできれいにできると思います。
ダイキンのメーカーによる手法3の室内機洗浄の場合、5.8〜7.2万円かかるようです。場合によっては新品が購入できそうですね。ブルジョア(リッチな方)限定なサービスなのかもしれません。
完全分解【背抜き】によるクリーニング
初めての【背抜き】洗浄
まずは、こちらご覧ください。初めて【背抜き】を行ったときのものです。
ある意味、ここまでバラしてしまえばすべての洗浄作業が超絶にシンプルでむしろ簡単になってしまう素敵な手法でございます。
つまり、熱交換器フィンのみが壁にぶら下がる状況になり、それ以外は外してしまっているので、風呂場で高圧洗浄なり、オキシ漬けなりお好みの洗浄方法で徹底的にお掃除できるのです。
【背抜き】洗浄との出会い
どうしてこんな完全分解をしてしまったのかというと、次のようなサイトと出会ったからです。DIY好きな方がいろいろ役立つ情報を共有されている素晴らしいブログです。
なんと一般の方が完全分解洗浄をされているのではありませんか!非常に勇気づけられました。
「なんなら、オレも完全分解洗浄やってみるべぇか?」
そんな気分になりました。ちなみに完全分解洗浄はケースカバーの他に、熱交換器フィンの裏側から横に伸びる樹脂の部分をごっそり下部にずらして外してしまいます。もちろん、シロッコファンも外してしまいます。エアコンの後ろ側を外してしまうので業界用語では【背抜き】というそうです。
ご注意:超絶に難しい洗浄方法です。
この記事の手法はどちらかというと難易度がかなり高い部類です。DIY好きの中でも本当に手先が器用な方以外はチャレンジしないほうがよいと思います。
洗浄自体はむしろ簡単となりますが、分解の難易度が極端に高いと思います。
あくまでこのような手法で【背抜き】ができたという情報共有にとどめておいてください。もし作業を行うのであれば自己責任の上、入念な準備、十分な時間を用意して行ってください。
また、分解作業を行っていくうえでパーツが破損する可能性も非常に大きいです。また、元通り組み立てることができなくなる可能性もあります。
私はスマホで都度経過の画像を撮影しまくり、部品と取り付け位置を忘れてしまわないように行いました。
繰り返しお伝えしますが、非常に難易度が高い作業です。腕に自身がある方以外、【背抜き】専門の業者様に依頼してください。
ただ玄人なDIYなお方の場合、慣れてしまえば意外とサクッとできるかもしれません。
注意:画像がたくさんで重いかもしれません。できるだけ途中経過の写真を共有して、チャレンジされる方の参考になれば嬉しいです。
忍耐と集中力の必要なあくまで修行僧の如くな作業です。ご注意ください。
<筆者のDIYレベル>
- 車のHID、マフラー、ブレーキパッド、オーディオ、カーナビ取り付け等
- 自宅のコンセント交換、増設等(電気工事士の資格を持っています)
- PC自作、電子工作等
少なくとも機械いじりが好きで、PC自作などコネクタ脱着の知識がある方でないと危険です。
ではいってみましょう!
分解編
対象となるエアコンはお掃除機能なしのダイキンのAN22ZESK(2022年製)です。
この記事ではダイキンのエアコンを取り上げましたが、他社のエアコンでもだいたい似たようなやり方でできると思います。ちなみにお掃除機能があっても【背抜き】はできると思いますが、パーツが増えるので分解作業がさらに手間がかかると思います。
【背抜き】の分解工程で、難易度が高いのが次の2つの作業です。
- ドレンホースネジ脱着
- 背抜き作業
ドレンホースのネジを外す際にとにかく隙間がないのです。そして、初めての【背抜き】作業はどこが引っかかっているのかもわからず、心細くなります。逆に言うとこれさえ乗り越えれば、後は比較的簡単にできると思います。
6ヶ月前に作業した内容を執筆したので、完璧に作業を記録できていない部分もありますが、生暖かい優しい目でご覧いただけると幸いでございます。少しでもみなさまのお役に立てることを祈って。
では分解、いってみましょう!
分解直前のエアコン
分解前はこんな雰囲気でございます。よくある壁掛け式のエアコンです。
エアコンは高所に取り付けられているので、踏み台、イスなど何らかの台に乗って作業することになると思います。なるべく安定感のある安全なものを利用することをおすすめします。
以前、プラスチックの折りたたみの小さな台を利用していたところ、いきなり閉じてしまい肝を冷やしたことがあります。
作業効率を上げるためには、安定感のある足場が重要となってきます。プロの職人さんもやはり安定した足場、きちんとした養生をしているからこそスムーズで確実な作業ができるのでしょう。
私は長谷川工業の踏み台を利用しました。こちらは今回のためでなく、家の掃除に数年前から利用しているものです。軽いのに安定感があり、おすすめです。
まずは台に乗って、コンセントを外した上で蓋を開けます。
エアコンを掃除するときはコンセントを抜くという手順を必ず守りましょう。
いわゆるフィルタや脱臭フィルタなどを外していきましょう。
次に右側にあるプラズマユニットを外してみましょう。
外装カバー、前面カバー、ルーバー脱着
引き続き、外装カバー、前面カバー、ルーバーなどを外していきます。
前面カバーは構造をじっくり見るとよくわかります。ヒンジの部分を内側に少し力をかけながら持ち上げると外れます。
ルーバーは一番右の角度調整のモータ側から少し曲げつつ外すとあとは右側に抜くことができます。これもいろいろやり方があると思いますので、お好きな手法をググって見つけてみてくださいね。
ルーバー上部の左右にある外装カバーのネジをおのおの外します。
引き続き、上部吸込口のケースを止めているフックを3つ外します。うまくケースを持ちかげる感じに外しましょう。力を入れすぎると破損します。ご注意です。
さて、ようやく外装ケースを外すことができます。ここでも無理はしないで引っかかり部分等を確認しながら少しずつ持ち上げていきましょう。
外装ケースがなくなり、中身がむき出しになりました。
電装品箱・各種センサー等脱着
電装品箱・各種センサー等周辺の風景
電装品箱・各種センサー等周りの脱着に取り掛かる前に、ケーブルの取り回しを忘れないように何枚か撮影しておきました。
まずは電装品箱・各種センサー等の全景です。熱交換器フィンの右側の黒い箱が電装品箱となります。
次に電装品箱上部です。薄い金属で囲まれていますね。2つのフックで止めてありますね。
引き続き、プラズマユニットがあったあたりです。
下側の黒いボックスには電源ケーブルが収められております。ルーバー角度調整用のモーターへのケーブルの取り回しを忘れないように記録しておきましょう。また、熱交換器フィンの右下に刺さっているケーブルは温度センサーです。
風向ルーバー周辺はこんな感じですね。電源コードがこのルーバーしたのスペースに収まっているので、うまく抜きましょう。
電装品箱・各種センサー等脱着
さて、電装品箱・各種センサー等を脱着して行きましょう。
電装品箱のカバーを外していきます。
電装品箱のカバーはこの2つのフックを少しだけ持ち上げる感じで外れます。
カバー下側は差し込んである感じですね。
電装品箱のカバーを外します。中には基板とたくさんの線がコネクタで刺さっているのが確認できます。
ここで注意ですが、基板にはできるだけ触れないようにしましょう。故障の可能性があると思います。
次のターゲットは熱交換器フィンのアースと温度センサーです。
熱交換器フィンのアースを外していきましょう。
熱交換器フィンのアースが外れました。外したネジは元あったところに締め込んでおくと紛失しないのでおすすめです。引き続き、温度センサーを外していきましょう。
温度センサーが外れました。特殊なクリップ形状をしているので、元に戻せるようにスマホで撮影しておくことをおすすめします。
続いて、線の束を外していきましょう。
基板に刺さっているコネクタを外していきましょう。
コネクタが外れたら、留め具に挟み込んである線の束を少しずつ外していきましょう。これも念の為、どこにその線があったか忘れないように、スマホで撮影しておきましょう。
線の束が外れてサッパリしました。
電装品箱を引っこ抜きます。
ドレンホースの下にぶら下がっている黒い箱が電装品箱です。
外した電装品箱はカーテンレールなどに結んでぶら下げておけばいいのです。
一点注意ですが、熱交換器フィンの洗浄を行うときは大量の水を使ってすすぐ必要があるので、水に濡れないように電装品箱は超入念に養生しておきましょう。
ぶら下げる手法は先程紹介したサイトでも詳しく紹介されています。
ドレンパイプ脱着
さて、壁から出ている白いホースがドレンホースです。
このドレンホースは水滴の水路部分(ドレンパン)と接続されています。
さて、どのように接続されているのか拡大してみましょう。よく見ると工具を入れるスペースがほとんどないじゃないですか。
さらに拡大いたします。
まずは狭いところ用のドライバーでチャレンジしようとしたところ、明らかにスペースが足りませんでした。
あまりに狭いところにネジがありまして、どうやってトルクをかけながら回していいのか難儀します。
これはケース・バイ・ケースでどの工具を使うのがベストかわかりません。ドレンホースを右に出しているか、左に出しているか、そもそも機種によっても異なります。自分の環境に適したものを試して見つけるしかないと思います。
次のようなオフセットされたドライバーを利用しました。なかなかトルクを掛けるのが困難?いや、ネジをなめるのが怖かったので躊躇してしまいました。
次にラチェットドライバー単独でチャレンジしましたが、スペースが厳しく、ラチェットドライバーにラチェットドライバーフレキビットという曲がるもの組み合わせてみました。
こちらもスペース的に厳しかったのですが、うまく曲げながらチャレンジしたところ、トルクをかけてネジを脱着することに成功しました。
ネジとの格闘を終え、ホッとしました。
あまりの難易度で冷や汗をかいておりましたが、ふと大佐に「坊やだからさ」と言われて気分でございました。
ドレンパイプの脱着について一言コメントしたいと思います。
ハッキリ言って、これは昭和時代のファミコンによくあった無理ゲー並みの難易度です。
ソケットレンチの先にユニバーサルジョイントを付けて、ビットアダプターソケットを付けて回す手法もあります。次回に備えてこちらを購入しておきました。
本当にけしからんほどの難しさでございました。
ただ、一旦コツを掴むとどうにかなりそうでもあります。やはり、【背抜き】洗浄は修行僧の如くでございます。
シロッコファン周りのネジ脱着
それではシロッコファンのケース周りのネジを脱着していきましょう。
左側の2つのネジを外しました。
続いて右側のネジを外しました。
いよいよクライマックスの【背抜き】
早速クライマックスとなる【背抜き】を行っていきましょう。
電装品箱後ろ側に鋼管が通っていますが、その裏側のカバー、爪がありまして、そこを外すとずらすことができます。自分のエアコンの場合、完全に外さないでずらして置くだけで問題ありませんでした。
さて、中身を下に抜こうと試みたのですがどこかが引っかかっています。抜けません。
実は、この【背抜き】の工程、うまくいかずに何日間も悩んでしまいました。というのも下側に抜けないのです。どこかが引っかかって、バキってなりそうで怖いのです。
最終的に、シロッコファンケースの上側のでっぱり?フック?が引っかかっており、これを押すと外れることがわかりました。
ここは曲がった鋼管の奥なので、マイナスドライバーで押したところ外れました。
あとは中身を少しずつ下に抜けばよいのです。焦りは禁物です。少しずつ引っかかっているところをずらしたりしながらやれば大丈夫です。
やっとのことで、【背抜き】が完了しました。
初めて取り組むときはエアコンを使わなくても問題ない季節にのんびりやるのがベストです。焦って取り返しがつかないことにならないように、のんびりです。
エアコンクリーニングは次の時期がベストだと思います。
- 暖房が必要なくなる4月〜5月
- 冷房が必要なくなる10月〜11月
逆に冷房が必要となる7月〜9月は避けたほうが良いと思います。冷房なしにこういった根気のいる作業は集中できない上、熱中症の危険があります。
DIYでのチャレンジは余裕がある時期に、一週間ぐらいかけてゆっくりやったほうがいいかもしれません。
さて、先述のフックを外し、無事に中身を外した【背抜き】完了済みのエアコン全景がこちらです。
あまりのサッパリ具合いびっくりしてしまいます。これなら熱交換器フィンも簡単にお掃除できそうですね!
下から覗いてみましょう。何もありませんね。
注意:熱交換器の左右にある2つの樹脂のパーツ、外すことができます。撮影のタイミングがずれてしまい、組み込んでから写真を撮ってしまったようです。
最後に横から覗いてみましょう。
実は【背抜き】済みの熱交換器フィンはそのままだと固定できず斜めってしまいます。そうなると鋼管パイプが曲がってしまいます。
手持ちのヒートンを天井にねじ込みヒモでつるしてみました。
実はググってみると業者の場合、次のようなクリップとワイヤーを利用されるようです。
実際に、後日私もやってみました。壁に固定するパネルに2つ大型クリップを取り付け、熱交換器フィンをワイヤーで一周囲み吊るす手法です。こちらのほうが安定しますね。
【背抜き】した中身
ドレンの水路、シロッコファンがカビていますね。外してしまえばこっちのもんです。超絶に洗浄しやすいですね。
シロッコファン、かなりカビていますね。エアコン購入後、夏を2回経験するとこれぐらいなってしまいますね。逆に言うと、この状態でエアコンを使用すると『火炎放射器』ならぬ『カビ放射器』の状態であります。
シロッコファン・モーター・ルーパー回りの分解
モーターを除去して、蓋を外し、シロッコファンを外しましょう。
どこまでバラすかはいろいろな考え方があると思います。重要なことは水に濡れてはいけないモーターなど電子部品と思い切って洗浄したい樹脂パーツを分離することだと思います。
たくさんの画像が並びますが、バラした後に後戻りできなくならないよう自分のための記録としてたくさんスマホで撮影することをオススメします。きっと、その画像がいつかあなたを助けてくれるはずです。
それでは、ルーバー制御用モーターを外して行きましょう。モーター関連の線が結構長いので手持ちの麻紐で束ねておきました。
なお、使用済みの麻紐はソロキャンの焚き火時のファイヤースターターの火口(ほくち)に再利用していることはここだけの秘密であります。
シロッコファン、ドレンパン関連の水濡れしてはまずい電子パーツを完全に分離することができました。後は気兼ねなく洗浄できますね!
次にシロッコファンのモーター周りを分解していきましょう。
あら、シロッコファンのモーター周りも結構汚れていますね。ここらへんはアルコールウェットティッシュできれいに拭き取っておきました。
ドレンパンのアップです。初めに紹介した一般的に行われる手法1の簡易洗浄ではこういった細かい部分を洗浄できないことがよくわかりますね。
さらに、ルーパーの左右調整用のモーター周りの脱着です。
参考:電装品箱を完全に外してしまう方法(電気工事士向け)
実は、脱着した電装品箱の処理には2つの手法があります。
- 手法1:脱着後ケーブルごとぶら下げる ← オススメ!
- 手法2:VVFケーブルを外して完全に分離する ← 要電気工事士免許
前者のぶら下げる手法がオススメです。
後者の完全分離の手法は余計なものがなくなるので多少やりやすくなりますが、オススメしません。理由は電気工事士の免許が必要となるからです。VVFケーブルを外す作業は一般の方は行うことができません。
私は第二種電気工事士の免許を持っているので、作業性を考慮して外してしまいました。
電装品箱の下側の黒いカバーを外すとVVFケーブルが見えてきます。
まず、VVFケーブルを抜いて、あとは電装品箱を引っこ抜くだけです。ただ、VVFの抜き方には注意が必要です。白い抑えてある部分をマイナスドライバー等で強く押しながら引き抜きます。こういった作業は据付説明書等に詳しく書いてありますね。
VVFケーブルを脱着した後を下側から撮影してみました。
繰り返しですが、電装品箱を完全に外してしまう方法はあくまでも電気工事士向けの参考です。
洗浄編
ドレンパン、シロッコファンの洗浄
一般的には外装ケースやドレンパンの洗浄には高圧洗浄やエアコンクリーニング用洗剤、カビキラー的なものを使うのかもしれません。
私はいわゆる『オキシ漬け』でいきたいと思います。人気の『オキシ漬け』とは、酸素系漂白剤である過炭酸ナトリウムを60度くらいのお湯で溶かして、ブクブクさせて洗浄する手法です。細かいやり方はWEBや以下の書籍等を参考にしていただければ幸いです。
『オキシ漬け』の良いところは塩素のような有害な気体が発生しないところです。発生するのは酸素であります。
過炭酸ナトリウムには『オキシクリーン』や『過炭酸ナトリウム』単独のものもあります。『オキシクリーン』に関しては、コストコ等で販売されているアメリカ版の場合、界面活性剤が入っているようです。Amazon等で販売されている『オキシクリーン』は界面活性剤が入っていない純粋な過炭酸ナトリウムのようです。
私はナチュラルかつコスパ良いニチガさんの『過炭酸ナトリウム』を利用しております。大容量でコスパもよく最高です。
今回はお風呂に外装ケース、シロッコファン等を入れて、適量の過炭酸ナトリウムを入れて、60度のお湯をシャワーで満たすやり方をとりました。途中の写真を撮影し忘れて大変申し訳ありません。
お風呂の蓋をして4時間ほどほったらかしをすると黒い汚れがたくさん浮かんでいました。後はシャワーを使ってたくさんの水できれいにすすぎました。
よく水を切ってからキッチンペーパーで大まかな水滴をとったあと、物干しに干してしまいました。きれいに乾燥させる必要があります。水分が残っていると故障やカビの原因となりますので、ここはのんびりと入念に。
シロッコファンも物干し竿とハンガーで吊るされるとは思ってなかったでしょう。風にあたって気持ちよさそうですね。
続いて、ドレンパンもこの通り、物干しで乾燥中です。
冬の午後にやったので時間はかかりましたが、きちんと乾燥できました。
写真を撮るのを忘れてしまいましたが、外装ケースも同様にオキシ漬けして、物干しで干す手法を行いました。
熱交換器フィンの洗浄
壁に熱交換器フィンだけがぶら下がっていますね。風通しが良さそうです。それを塗装用のマスカー(?)いわゆる『養生シート』で養生しています。
コツは熱交換器フィンの裏側を養生してまず壁を濡らさないようにします。そして天井から囲むように長めのシートを床まで垂らします。ここで下側を絞って洗浄液を溜めるバケツに入れる感じです。
もう一つのコツです。周辺の床も壁も思い切って広範囲に養生しちゃいましょう。これで心置きなく洗浄に集中できます。
養生の方法はいろいろ流派があると思います。むしろ、市販のエアコンクリーニング用の養生カバーを購入してもいいかもしれません。
さらに養生カバーと噴霧器のセットもありますね。
今回は購入して1年少々のエアコンということもあり、熱交換器フィンはかなり綺麗でした。
そこで、市販のエアコンクリーニング用のスプレーを利用することにしました。というわけで、あくまでも簡易洗浄となります。ここで注意があります。無香料を選びましょう。無香料でないものを選んでしまうと、せっかくクリーニングしたのにエアコンを回すたびに悩ましいこととなります。
別のエアコンも何台か洗浄したことがありますが、そのときはかなり汚れていたので、家庭菜園等に利用するポンプ式の噴霧器を利用して、洗浄液を噴霧して、その後大量の水ですすぐという手法をとりました。
工進さんの噴霧器4Lを購入して利用していますが、地味によく働いてくれます。業務用高圧洗浄機のようにはいきませんが、きちんと噴霧してくれるので、きれいになります。
洗浄液は純閃堂さんのものを利用していました。こちらを希釈して噴霧して、あとは大量の水を噴霧してサッパリさせます。希釈して使うものなのでDIYな人には何台洗浄しても余ってしまいそうですね。
実はこういった噴霧器を利用する前はペットボトルを噴霧器として利用するものを使っておりました。工夫すればこちらでも作業できますが、家庭菜園用噴霧器のほうが楽かもしれません。ただ、比較的お求めやすい価格となっています。
いずれにせよ、業者が利用する高圧洗浄器は高性能でありますが、まあ一般人がDIYでのんびりやる作業としては、家庭菜園用の噴霧器やペットボトル噴霧器でもよいのではと思っています。重要なことは液剤を大量の水できれいに洗い流すことです。
組み上げ・動作確認
さて、最後の仕事です。洗浄済みのパーツを組み上げていきましょう。
組み上げ
まずは、【背抜き】した中身、シロッコファン周りのパーツを並べて準備します。
分解した逆の手順で組み上げていきましょう。分解前、途中に撮影した写真を確認しながら落ち着いて組み上げていきます。
壁には洗浄済みの【背抜き】状態の熱交換器フィンがぶら下がっています。ここにいわゆる中身であるシロッコファン周りの塊を元通りに入れてやればいいのです。
分解した時を思い出しながら、ゆっくりと中身を戻しましょう。壊さないように少しずつがコツです。無事に中身が戻りました。
次に、ドレンホースをつなぎます。相変わらず、ネジの取り扱いが困難です。頑張りましょう。
電装品箱を取り付けます。モーター周りの線がかなり細く痛みやすいので挟み込まないように要注意です。少しずつ配線を仕上げていきます。分解前に撮影した写真が役立ちますね。
最終段階でございます。外装ケース、導風板などを丁寧に組み込んでいきます。それっぽく戻りましたね。
無事に元通りになりました。
動作確認
あとは、プラグをコンセントに差し込み、動作チェックします。
暖房ボタンを押すと、無事に爽やかな風が吹いてきました。これで快適に寒い冬を乗り越えられそうです。
まとめ
この記事ではダイキンのエアコンをDIYで完全分解【背抜き】洗浄する工程を紹介しました。
かなり難易度が高い手法ですが、DIYの玄人の方であればできるかもしれません。
みなさまの参考になれば幸いです。
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